ZX-10R ZX1000F 2011 締め付けトルク

🏍 ZX-10R(ZX1000F・2011年式)

2011年モデルのZX-10R(型式:ZX1000F)は、Kawasakiがサーキット向けに本気で開発したスーパースポーツモデル。完全新設計のフレームやエンジンに加え、**カワサキ初のIMU(慣性計測装置)連動型トラクションコントロール「S-KTRC」**を搭載した、電子制御元年とも言えるモデルです。

エンジンは200psに迫る出力と高回転域での伸びが特長で、シャープな加速と剛性感のある足回りのバランスが絶妙です。サーキット走行だけでなく、峠やワインディングでも高いパフォーマンスを発揮します。

メーカーカワサキ
車種名ZX-10R
型式ZX1000F
年式2011
オイル交換関係
オイルフィルター17Nm
オイルドレンボルト29Nm
フロント周辺
アクスルシャフト127Nm
アクスルピンチボルト20Nm
キャリパー固定ボルト34Nm
パッドピン15Nm
ブレーキディスク固定ボルト27Nm
ブレーキホースオイルボルト25Nm
ステムナット80Nm
トップブリッジピンチボルト20Nm
ロアーステムピンチボルト23Nm
ハンドルピンチボルト25Nm
リア周辺
アクスルシャフト127Nm
キャリパー固定ボルト27Nm
パッドピン17Nm
ブレーキディスク固定ボルト28Nm
ブレーキホースオイルボルト25Nm
リアサスリンクプレート35Nm
スプロケット
ドライブスプロケット145Nm
ドリブンスプロケット59Nm

🔧 トルク表の使い方と整備上の注意点

このページで紹介しているトルク値は、カワサキ純正サービスマニュアルに基づく正確なデータです。
2011年式ZX-10Rは高精度な電子制御・軽量高剛性シャシーを備えており、トルク管理のミスが車体挙動や安全性に直結するモデルです。

✅ 例:

  • 締めすぎ:センサー誤作動、スロットルレスポンス異常
  • 緩すぎ:パーツ脱落、振動増加、電子制御の誤検知

整備時は必ずトルクレンチを使い、指示トルク値を厳守しましょう。


🛠 整備時に特に注意したいポイント

フロント周り(倒立フォーク、ピンチボルト)

フロントフォークはショーワ製の高性能倒立タイプで、アクスルシャフトとピンチボルトの締め方ひとつで挙動が変化します。左右均等かつ段階的に締め付け、ステアリング軸に不要なストレスをかけないことが重要です。

チェーン・スプロケット

強力なトルクがかかる駆動系は、チェーン張りとアクスルナットのトルク管理がカギ。リアアクスルナットは108Nm前後で締め付け、スプロケットナットの緩みにも注意しましょう。


👶 DIY初心者におすすめの整備ポイント

  • エンジンオイル交換
     下部カウルの取り外しは必要ですが、オイルフィルターやドレンボルトへのアクセスは比較的良好です。
     ドレンボルト締め付けトルク:34Nmが目安。フィルターは専用工具で交換。
  • チェーン清掃・調整
     走行500〜1,000kmごとのメンテナンスが推奨されます。たるみの目安は25〜30mm。調整後はアクスルナットの締め直しを忘れずに。