ZX-10R ZX1000RG,SG 2016 締め付けトルク

🏍 ZX-10R(ZX1000RG,SG 2016年式)

2016年式ZX-10R(型式:ZX1000R/G)は、WSS(スーパーバイク世界選手権)での技術を反映した実戦型スーパースポーツです。カワサキワークスチーム「KRT」との共同開発により、シャシーから電子制御に至るまで大幅な進化を遂げました。

特徴的なのは、IMU(慣性計測装置)を活用した高度な電子制御群(KTRCトラクションコントロール・KLCMローンチコントロール・KEBCエンジンブレーキコントロールなど)を搭載している点で、従来モデルから乗り味が大きく変化しています。

サーキットユースはもちろん、公道でも高い扱いやすさを誇る次世代ZX-10Rのスタートラインとなるモデルです。

メーカーカワサキ
車種名ZX-10R
型式ZX1000RG,SG
年式2016
オイル交換関係
オイルフィルター17Nm
オイルドレンボルト29Nm
フロント周辺
アクスルシャフト130Nm
アクスルピンチボルト20Nm
キャリパー固定ボルト35Nm
ブレーキディスク固定ボルト28Nm
ブレーキホースオイルボルト25Nm
ステムナット80Nm
トップブリッジピンチボルト20Nm
ロアーステムピンチボルト23Nm
ハンドルピンチボルト25Nm
リア周辺
アクスルシャフト130Nm
キャリパー固定ボルト27Nm
パッドピン17Nm
ブレーキディスク固定ボルト28Nm
ブレーキホースオイルボルト25Nm
リアサスリンクプレートforSUS35Nm
リアサスリンクプレートforFRM35Nm
リアサスリンクプレートforARM35Nm
スプロケット
ドライブスプロケット147Nm
ドリブンスプロケット60Nm

🔧 トルク表の見方と整備の注意点

このページに記載された締め付けトルクは、カワサキ純正サービスマニュアルを元に正確に記録されたものです。
ZX-10R 2016年式は、電子制御部品や高精度な足回り構成が特徴であるため、わずかなトルクのずれが性能や安全性に大きく影響します。

✅ 例:

  • 締めすぎ → センサー異常、フレーム応力過多、ABS誤作動
  • 緩すぎ → ボルト脱落、サスペンション性能低下、振動増大

適正トルクでの締め付けは、電子制御との整合性を保つ意味でも重要です。


🛠 整備時に特に注意したいポイント

ピンチボルト・アクスルシャフトまわり

倒立フォーク+ショーワ製バランスフリー・フロントフォーク(BFF)を採用しており、アクスルシャフトのトルク誤差がフロントの接地感に大きく影響します。左右ピンチボルトは段階的・均等に締めましょう。

リアスプロケット・チェーンアジャスター

大出力+軽量ボディによる負荷集中が起きやすく、**スプロケットナットやリアアクスルナット(約108Nm)**は正確なトルクで締め直しを。緩みは走行中の共振音やチェーン外れの原因になります。


👶 DIY初心者でも可能なメンテナンス

  • オイル交換
     このモデルはアンダーカウルの脱着が必要ですが、慣れれば作業性は良好。ドレンボルト締め付けトルクは34Nmが目安です。フィルターは専用レンチで緩めましょう。
  • チェーンの清掃・調整
     高出力車ゆえにチェーンの負担が大きく、500〜1,000kmごとに清掃と注油が推奨されます。
     たるみ量の目安は25〜35mm、調整後は必ずトルクレンチでリアアクスルを再確認。